くたびれた時は、顎を出そう

日々の楽しみ

はぁ〜、疲れた。

私はそんな時、座る → 顎を出す → (と同時に)頭が後ろに傾く → 口がポカンと開く → 背中が若干丸くなる → はぁ〜っと深い息が出る、という一連の動作に身を任せる。
そのまま脱力して、はぁ〜っと深い呼吸を数回すれば、顎を引き戻して立ち上がれるくらいには回復できる。時間にして、ものの20〜30秒。

すぐにシャキッとするほどの効果はないとはいえ、とりあえず、次の行動をとれるくらいまでは復活できる。応急の疲労回復法として、まずまずお勧めできる方法だと思う。

とはいえ、容易に想像できると思いますが、人様にお見せできるような格好ではない。
なにしろ顎を出して口をポカンと開けている姿など、間が抜けているし、だらしないし、無様で、無防備で、格好悪すぎるetc.・・・ですよね。

というわけで、私も日頃は家の自室や、外出中であればトイレの個室など、人目につかない場所でこっそりと行うようにしています。間違えても、電車に乗って座った時とか、打ち合わせの席に着いた時などには決してやらない。
でも、ある日、ずいぶん疲労が溜まっていたんでしょうかね、無意識のうちに夕食のテーブルに着いた瞬間に家族の前でやってしまった。

座る → 顎を出す → (と同時に)頭が後ろに傾く → 口がポカンと開く→ 背中が若干丸くなる → はぁ〜っと深い息が出る。
その様子を見た家族に、「ちょっとちょっと何それ」と失笑されてしまった。
失礼失礼、さすがに家族の前とはいえ、はばかられるよなぁ。

ところがである。
私と同じことをした人がいたのである。

誰か?と言えば、齢90の父。笑

6月中旬に札幌の父母の家で過ごしたときのことだった。
やはり、それは食卓でのこと。

遅れてテーブルに着いた父が、まさに、座る → 顎を出す → (と同時に)頭が後ろに傾く → 口がポカンと開く→ 背中が若干丸くなる → はぁ〜っと深い息が出る、を私の目の前でやったのだった。

まるで、いつもの私の姿を鏡で見るかのごとく。
(あら、傍から見ると、こんな風に見えるのね。汗)

言うまでもないが、父から「こうすると、疲れがとれるぞ」と教わったことはない。
ましてや、そうするのを幼少時から見せられて、自然に身につけた覚えもない。
なのに、私がいつの頃からか実践している疲労回復法を、まさに父がやってみせたのである。

教育じゃないとしたら、遺伝か?

と笑ったところで、はたと気づいた。
もしかして、実は多くの人がこの疲労回復法を、無意識のうちにか意識的にかは分からないが実践しているのではないか?と。
そして多くの実践者たちは、私と同様に、こんな間抜けた姿をさらさぬように人目につかない場所で日々実践しているのではないか?
私が知らないだけで、意外とメジャーな疲労回復法なのかも?笑

真偽のほどは定かではないが、あらためて考えるに、身体的には理にかなっているように思える。ほら、応急手当の人工呼吸だって、寝ている傷病者の顎を上げて気道を確保してから息を吹き込むようにって習うじゃないですか。

顎を出して頭を後ろに傾けるのは、そうすれば自然と気道が確保できるから。しかも、ポカンと口を開ければ、さらに呼吸は楽にできる。
そのまま脱力して何度か深い呼吸をすれば、疲れて淀んだ気が吐き出され、新しい酸素がたっぷりと取り込まれて身体に行き渡る。

というわけで、すでに実践されている方も、まだやったことがない方も、「はぁ〜、疲れた」という時には、レッツ・顎出し。

コロナだのオリンピックの是非だの豪雨被害だのと何かとストレスフルな日々が続いていますが、なるべく無理をせず、疲れを溜めないように過ごしたいものですね。

ときには、マリアのように舌を出してみるのもいいかもね。