雨の降らない酷暑が何週間も続いたあとにスコールのような雨が何度も地面を叩きつけ、カラカラだった熱い空気に水分がジメッとこもり、まるで蒸し焼き刑を受けているみたい。わたし、何か悪いことしたかしらん?……と、あらぬ妄想に誘い込まれそうになる昨日今日です。
みなさま、残暑お見舞い申し上げます。
この暑さにも負けず劣らず我が家でヒートアップしているのが人気者論争だ(大袈裟か?笑)。
発端は、夕食時のこんな会話だった。
父:あそこ(←デイサービスの名が思い出せず言えない)で、みんなが「マリア、マリア」(←我が家のチワワ犬)と言ってくるんだ。「かわいいわねー」「かわいいわねー」って言ってくるんだ。ほら、マリアが朝、ニコニコ笑って手を振るだろ? だからだな。
(・・・私と姉、一瞬「えっ?」と顔を見合わせる。)
私:マリアが、ニコニコ笑って手を振る?
父:そうだ、だからみんな「マリア、マリア」って言うんだろ。
(私、立ち上がってテーブルから離れ、毎朝、父の見送り時にするようにマリアを抱きかかえ、手を振って見せる。)
私:パパ、今、手を振ってるの、誰?
父:そりゃ、マリアだ。
(姉と私、爆笑。)
いやはや。認知機能が低下すると、そういう面白い見方ができるんだね、おもしろすぎ。
で、ひとしきり笑った後で、「でもさ、やっぱ人気なのはマリアよりパパなんじゃない?」と焚き付けてみたのだった。
このブログでもたびたび書いてきたけれど、認知症の父は、できないことが増えていく反動か、周りから褒められることを常に渇望している。それによって自尊心を保とうとする健全?なリアクションなのだと理解してからは、私も姉も毎日毎日、父を褒めまくり煽てまくっている。
例えば、父が「俺は一目置かれているんだな(←デイサービスで)」というような鼻持ちならないことを呟いてきても、「そうよ、パパは人徳があるから」とか「そうね、いつも素敵なファッションだもの」とかテキトーに持ち上げる。
いや、こういうの、2年前に父と同居しはじめたときは全然できなかったの。だって、鼻につくじゃない、自分のこと偉そうに言いたがるって。馬鹿馬鹿しいにもほどがあるって思ったよ、最初は。
でもね、そこで否定すると不穏になる。不穏になると、「お前らが俺のカネを取った」とかクダを巻くようになる。そうなると平和が乱される。めんどくさすぎ。そんな経験を重ねるうちに、私も姉もことあるごとに「パパ!スゴイ!」を連発するようになった。92歳は、座っても立っても、そこにいるだけでスゴイ!ってことにしてます。
そんなわけで、人気者のマリアより、もっと人気があるのはパパじゃないか論争、しばらく蒸し返していこうと思っております。笑