季刊『社会運動2023-7』長生きしたら、どうしよう?取材記事

これまでの主な仕事紹介

発行:市民セクター政策機構
発売:ほんの木
担当:生活クラブからスタートした介護保険の現場から:NPO法人ACT(東京)/生活クラブ風の村(千葉)

季刊社会運動『長生きしたら、どうしよう? 崩壊する介護保険制度をたてなおす』に収録されている2つのインタビュー記事を担当しました。

私が担当したのは、東京と千葉で介護サービスを提供している団体で、いずれも介護保険制度の開始前から生活クラブの活動の延長で地域の自立支援サービスを支えてきた方々です。

介護保険制度が始まった当初は「その人らしい暮らし」をサポートするために必要なのは何かを探りながらサービスの提供ができたけれど、たび重なる法律の改悪によって時間制限が厳しくなり、できることも限られていき、もはや全てを短時間でこなさねければならない上に移動時間が多くなるなど、在宅介護スタッフの負担は重くなるばかり。

そして深刻なのが、担い手不足。ケアマネジャーが利用者一人ひとりに合わせたケアプラン作成に手が回らないような状況が発生しているという。
しかも、コロナ禍で感染の不安から利用者が減り、経営が成り立たなくなって施設の閉鎖が相次いでいる。いざ利用したい状況になっても通う施設がない高齢者も少なくないという。
特別養護老人ホームなどの施設でも求人広告を出しても人が来ず、派遣会社でパートを頼むと人件費が嵩上げされてしまうし介護の質を保てないこともある。
そもそも、国が予算をつけずに「加算」によって利用料を増やす仕組みが、利用者負担を重くして利用控えにつながったり、介護事業所に煩瑣な事務を増やして疲弊させてもいる。
さらに、これからまた、無料だったケアプラン作成を有料化する法律改悪が行われようとしているというのだから大問題だ。

介護の仕事は高度な技術が必要で、やりがいのある専門職でもあるのに、社会的にその認識が欠けていて、報酬が改善されない現状もどうにかならないものでしょうか。

……聞けば聞くほど、胸苦しくなってしまう現状ですが、目を背けてはいられません。

一人ひとりの尊厳が守られ、最期まで自分らしく生きられる。
そんな社会を実現するために、これから何ができるでしょうか。介護保険制度が始まって四半世紀になろうとする今が大きな正念場だと思います。

現場を支える人たちや有識者の読み応えのある寄稿が並んでいます。
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ぜひ手に取ってみてください。

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