iPhoneを使うようになって10年ほどになる。
このiPhoneという物体は、手にすっぽりと入って掴みやすいようでいてツルツルすべるので落としやすい。だから、いつも何かしらケースを使用しているのだが、なかなか気に入る市販品が見つからない。
一般的に売られているのは合成皮革や硬いプラスチックが主流だが、妙にベトついたり冷たかったりしてどうしても好きになれない。
あるとき、知人がシリコン製のカバーを使っていて、やわらかい手触りも滑りにくさも、1000円程度という手頃な値段も気に入って買ってみた。
だけど悪くないんだけど、なんか寂しい。
「どうしたもんか?」と触れているうちに、「このやわらかさなら針が通るかも?」と思いついて刺繍をしてみたら、これがなかなか素敵にデコれることがわかった。
この第一号シリコン刺繍カバーがたいそう気に入ったので、新しい機種にしたときも、またシンプルなシリコン製を購入してチクチクした。
で、使っているうちに、だいぶくたびれてしまった。というか、なんか気持ち悪いくらいベトベトしてきて触れたくないほどになってしまった。
あんなに可愛かった刺繍もひどくくたびれて、トホホ、みすぼらしい。涙
「そうだよなー、1年以上使ったよなー、しょうがないよなー」とアルバムをたどってみたら、なんとなんと、この第二号に刺繍を施したのは2017年8月、もう3年近く経っているではないか。
いやはや、そんなに月日が経っていたのね。ベトつくのも致し方ない。笑
さて、どうしたものか。私は考えた。
もう十分に使ったとも言える。新しいのを買ってきて、また刺繍しようか。
いや、待て待て。
そうはいっても、物として壊れたわけではないぞ。
若干伸びて外れやすくなっているとはいえ、形状はしっかりしているではないか。もったいない。
まだ使えるものは、工夫して使うべし。それが私の主義である。
問題は、触れたときのベトつきだ。これは、我慢できない。
ならば、覆ってしまえばよいではないか。
可愛い布をまとえば、きっと生まれ変わるさ♪(ま、失敗しても失うものは使い古したカバーだけだしね)
というわけで、善は急げ。
布で覆うとはいえ、刺繍の凸凹が感じられるのは不快だろうと考え、まずは刺繍を取り外した。
それから残り布を取り出して、いざ、端っこをボンドで貼り付けた。
クリップで留めて、しばし待ちながら、くっつけ〜、くっつけ〜♪ と念を送る。
カメラレンズの穴は、抜かりなく開ける。ケーブルのコネクタ穴も、しかり。
しかし、ここまできて気づいた。
まずいぞ、ボンドだけでは頼りないぞ、しっかりと貼り付かない、きっと、すぐに剥がれてしまうぞ。
だけど大丈夫。シリコンは、針の通りがよいのですよ。ムチッ、ムチッと一針一針かがりましたよ。
これで容易に外れることはない。安心だ。
丸く抜いた周りは、ボタン穴かがりの要領で仕上げた。
じゃ〜ん、できあがり。ものの1時間ほどで完成してしまったよ。
しめしめ、大満足。いいできじゃ。
何がいいって、とにかくコットンの肌触りがサラッとして心地いい。
しかも、薄からず厚からずほどほどしっかりした布地を選んだのが功を奏し、周囲に折り込まれた布のおかげで、若干ぶかぶかしてiPhoneが外れやすくなっていたのが、ほどよく収まるようになったのも◎だ。でかしたぞ♪
というわけで、うれしく生まれ変わったシリコン製iPhoneカバーcoverd withお気に入りの可愛い布。
どれほどの年月をこれから一緒に過ごせるだろうか。気づけばまた3年……なんてね。