お気に入りの木綿の大判スカーフに、穴があいてしまった。
去年の秋頃、穴を見ながら「どうしたものか?」と考えあぐねたのだったが、そのままシーズンオフになったので引き出しの奥にしまってあったのを、そろそろ暖かくなってきたので取り出した。
かれこれ10年近く前、吉祥寺の七井橋通りのエスニックな小物屋さんのセールで買ってから毎年、冬をのぞく3シーズン愛用してきただけに全体にくたびれ感が否めない。
とはいえ、ほんとうに肌触りがよくて、身につけていると安心できる、私にとってはかけがえのないスカーフだ。
春や秋はふんわり首元を温めてくれて、真夏は日差しよけやクーラー冷え予防にも大活躍してくれる。
この程度の穴で、さよならはできない。
だけど、放っておいたら穴が広がってしまいそうだ。
というわけで、先だって知った「ダーニング」なるものを試みてみることにした。
ダーニングはヨーロッパ起源の「繕い物」の方法で、私は生活クラブの月刊誌『生活と自治』に掲載されている作家の田口ランディさんの連載エッセイ2020年1月号を読んで知った。
やり方は、「ダーニング」で検索すると、いろいろ出てくる。
とくにわかりやすかったのは、編み物・手芸用品の会社『クローバー』の動画。
仕上がりの風合いを見ると、手縫いのチクチク感、いびつな可愛らしさに味がある。
ふむふむ、楽しそう。それに、これなら「失敗」はなさそうだ。
キノコ型の木の道具が無くてもできそうなので、そのまま杉の無垢床の上でチクチクすることにした。
まずは穴から少し遠いところから横糸をチクチク、穴の上は糸を緩めに渡しかける。
次に、同じように縦にチクチク。穴の部分は、横糸と交差させながら織物のように交互に糸を通していく。
縫い始め、糸継ぎ、縫い終わりは、10cmくらい糸を出しておく。そして最後に裏でちょいちょいと返し縫いをする。
それだけで、おしまい。正味、2時間半ほどでできあがった♪
一針一針、間隔は同じじゃなかったり、周囲がちょっぴり引きつれたりしていますが、それもご愛嬌。味のある仕上がりじゃあないですか。大満足♪
新型コロナウイルスに感染しないよう家で過ごす時間が長くなり、先行きが見えないのでなんとなく鬱々しがちなので、「手芸をすれば息抜きにもなりそう」と思ったのですが、実際にやってみたら首と肩がガチガチに凝ってしまった。涙笑
強度な近眼のうえに老眼で手元も見えづらくなっている私の目にはハードワークだったようで、首と肩の凝りにくわえて目の奥までジンジン痛くなってしまった。やれやれ。根を詰めてはいけないのぉ。
とはいえ、お気に入りのスカーフをリニューアルできて、ご機嫌です。またやりたい。