「これからは毎日、筋トレするぞ!」というモチベーションを与えてくれた健康指南書

気になること

久野譜也著「100歳まで動ける体になる『筋リハ』」(幻冬舎2017年12月発行)を読んだ。

読んだら、すごくモチベーションが上がった。
すっごくやる気になったので、ここに宣言しちゃいます。
私、これから毎日、筋トレしまーす!

図書館で見つけたときは、ここまでモチベーションが上がるとは想像しなかった。「参考にして、ちょっとやってみれたらいいかも」くらいのノリだった。

だけど、読んでいるうちに「まじ、やりたい、やらなくちゃ」という強い気持ちがムクムクと湧いてきた。
それは、この本がポイントを抑えて危機感をあおりつつ、「誰でもできるよ」と背中を押してくれるからだ。

私のやる気をくすぐってくれたポイントは、以下の4つ。

① 何もしなければ、どんどん悪化して病気のリスクが高くなる

……という現実を、この本は、20代、30代、40代、50代、60代、70代、80代…と人生の流れに沿ってわかりやすく説明してくれる。
自分の身に起きてきたことや親の身に起こっていることを思い返せば、なるほど覚えのあることばかりだ。

そして、年齢を重ねるごとに表れる身体の衰えの多くは、筋肉量の減少によって起こっているのだと言われれば、たしかにそうだと納得させられる。

しかも最近の医学研究では、がんや認知症などの病気も筋肉の衰えが影響していることが解明されているというのだから驚きだ。筋肉は、体を動かしたり活力エネルギーを生み出したりする働きのほかに、「ホルモンを分泌する」という内分泌器官としての働きがあり、それが病気に影響を与えているというのだ。
(テレビの健康番組などを熱心にみていらっしゃる方々には、もう常識かもしれないですが。)

筋肉が分泌するホルモン「マイオカイン」についてもわかりやすく説明されているので、興味のある方はご一読いただくとして、ともかく、自分の人生を守るためには「筋肉という財産」を蓄える日々の努力が重要なのだと、この本は私に危機感を適度にあおりつつ腑に落としてくれたのでした。

② トレーニングすれば、筋肉はよみがえる!

……ということを知って、私はとても勇気づけられた。

というのも、私は原田病を患うまではそこそこ体力も筋肉もあったんですよ。だけど、治療と養生を優先する4年半を経て、気づけば身体のあちらこちらに不調がオンパレードで、もう、どこもかしこもなよなよ。体力には自信のカケラもなくなってしまった。
「いまから元に戻ろうなんて、無理だろうな…」と半ばあきらめかけていたのだ。

だけど、著者は言う。
人間は、筋肉から衰えていく生き物です。また、筋肉によってよみがえる生き物でもあります」と。
そして、「“衰えの流れ”は自分で食い止めることができる」だなんて。なんとも肯定感のある、はげみになる言葉ではないですか。

で、「ならば、筋肉からよみがえらせようじゃないか、自分!」という高揚した気持ちになっちゃった。単純に乗せられましたよ。笑

③ ハードな筋トレは不要。必要最低限、軽めの筋リハを継続すべし

……という方針のもとで筋トレのメニューが紹介されているのも、実行に移す最後の一押しになった。

いやほんと、簡単なメニューなんですよ。

① スクワット(初級10回 上級20〜30回)
② 座りながらもも上げ(初級 1セット:左右5回ずつ 上級 2〜3セット)
③ クッション背中起こし(初級10回 上級20〜30回)
④ 大腰筋ランジ(初級 左右5回ずつ 上級 左右10回ずつ)
⑤ 足の左右上げ下ろし(初級 1セット:左右5回ずつ 上級 2〜3セット)
⑥ 座りながらひざ伸ばし(初級 1セット:左右10回ずつ 上級 2〜3セット)

という6つ。

「筋トレ」といえば、最近はNHKの『みんなで筋肉体操』のようにムキムキの体づくりをイメージしがちですが、この本ではあえて「筋リハ」と名付けているように、リハビリのニュアンスの、ゆるトレなんですよ。
腕立て伏せもなければ背筋起こしもない。もちろん、『みんなで筋肉体操』のように「あと**分」「あと**秒」と畳み掛けられることもない。自分のペースでえっちらおっちら、全部やっても5分ほどで済む。

ちなみに私は本を片手に「えー、楽勝じゃん」と思いながら中級レベルでやってみたところ、その夜就寝したものの身体中が痛くて夜中にもんどりうって目が覚めた。涙

まさか、全身筋肉痛に睡眠を邪魔されるとは。トホホ。
「楽勝じゃん」と思ったのは、過去の指標であった。強すぎるとは思いもしなかった。
その日、「初級にとどめておけばよかった」と心底後悔したので、それから今日まで3日間は「まだできそうだ」の感覚だけど、あえて毎日初級。
この程度では、いささか悔しい。かなり悔しい。ぜったい、少しずつ増やしていくぞーっ!と思うわけです。

①のスクワットは3種類紹介されていて、椅子の背をもってシンプルにスクワットする軽度なもの、相撲の四股を踏むようにする中度なもの、薪割りのように手の振りを加える強度なものが紹介されている。私はいまのところ軽度なスクワットのみやっているが、時機がきたらランクアップしていきたい。

この本のおかげで、そんな目標も持てた。

④ ウォーキングでは筋肉は鍛えられない

……とは、薄々感じていた。
というのも、3月ヶ月前、足のコピーをとって採寸してぴったりのシューズを勧めてくれるお店でウォーキングシューズを新調し、私にしては大枚をはたいてインソールも入れ、せっせとウォーキングを日課にしてきたのだが、いまだ筋力アップは実感できずにいたからだ。

そんな私に著者はビシッと断言するのである。
ウォーキングでは筋肉は鍛えられないことを肝に銘じろ」と。
ムムム……やはりそうであったか。かなりショック。涙

その理由は、こうだ。
ウォーキングなどの有酸素運動で使われるのは「遅筋」のみ。
筋トレで鍛えられる「速筋」は、ウォーキングでは増やせないのだ。
(これもまたテレビの健康番組などを熱心にみていらっしゃる方々には常識かもしれないが。)

しかし、薄々感じながらもそう思いたくなかった現実を「肝に命じろ」と突きつけられてみると、いっそ気分は晴れる。
ならば、ウォーキングにすべてをかけるのではなく、筋トレも合わせて継続するのみ。うん、そうすればいい。おかげで、肝が据わった。

というわけで、「最近、筋力が落ちてきた気がする」と悩んでいる方にはおすすめします、この本。きっと、やる気が出てきますよ♪