8月12日から14日、滞在中の札幌から富良野まで足を伸ばしてきた。お盆休み中だったにもかかわらず従姉妹夫妻が快く迎えてくれたうえに、2つの美味しいソフトクリームを食べに連れて行ってくれた。心から、ありがとう!!
「それがどうした?」と思ったあなた、富良野は広いのですよ。わかります?
どこに行くのも車で移動しなければならないのだ。徒歩で、バスで、電車で……というわけにはいかない。
ソフトクリームを食べるにも「さあ、行こう!」と車を20分、30分と走らせなくてはならないのである。いつも東京および近郊を電車とバスで動き回っている私にとっては、別世界だ。
かくしてソフトクリームを食べに行くという行為は、ピクニックにでも出かけるような特別感、ワクワク感を伴うのである。しかも富良野は盆地。風景が、変化に富んでいる。
道中、車からの眺めは、草原、畑、山並み、そして空が、空が、空が広いーーーーーっ!!
そして、従姉妹夫妻セレクトの2つのソフトクリームは、同じような形状であるにもかかわらず全く異なるテイストで、店の雰囲気も大きく異なり、でも、いずれも富良野でしか味わえないという点で、プレミアム感あふれるソフトクリームなのだった。
1つ目は、従姉妹の実家でもある藤井牧場の直営カフェの一品。
原料は牧場の搾りたての牛乳で、サラッとした喉越し。甘すぎず、後味スッキリの清涼感が格別だった。
富良野駅から500mほどに位置する小さな店は、牛型のベンチがあって楽しく写真撮影ができたり、やはり藤井牧場メイドの新鮮なチーズを使った極上のホットサンドも味わえたりするのが魅力だ。
2つ目は、『マルセイバターサンド』で有名な帯広の菓子メーカー『六花亭』の富良野店『カンパーナ六花亭』のソフトクリーム。
ねっとりした乳脂肪分たっぷりの濃厚なソフトクリームに、六花亭の定番クッキーの一つ『雪やこんこ』のブラックココア入りクッキーが添えてある。
おそらく本拠地の帯広でも札幌でも同じものが食べられるのだが、ここでは何といっても、すごすぎる景色が別格なエッセンスを加えてくれる。
広々とした店内の大きな窓から、あるいは広々としたウッドデッキから、ブドウ畑と十勝連峰の雄大な景色が望める! 何を食べても極上になってしまうかも……という無二の展望である。
『六花亭』へ……と誘われたとき、「いや、札幌でも食べられるから」と一瞬思ったのだが、いやいや富良野だからこその逸品ソフトクリームであった。
しかも『カンパーナ六花亭』の敷地には、ギャラリーも併設されていて、そこに一歩踏み込んだとたん、アッと息を飲む。特大の窓から望む風景が、一枚の絵のようなのだ。
そのときギャラリーで開催されていたのは、綿引幸造氏の写真展。北海道の四季の多様な表情に、さらに心地よく感性を揺らしてもらった。至福の時であった。
もしあなたが富良野へ旅することがあったら、この2つのソフトクリームを食べ比べ、「富良野らしさ」を心ゆくまで味わってみてほしい。