かなり気温が高くなってきたとはいえ、まだ30度は超していない。
しかも、お天気は上々。
自転車でちょこっと遠出をするなら今だ!……というわけで、今日は東村山市の北山公園と八国山緑地を散策してきました。
北山公園は、菖蒲の名所。あなたもご存知かも?
例年なら今ごろ『菖蒲まつり』で大賑わいの季節ですが、今年は新型コロナウイルス感染予防のために残念ながら「まつり」は中止。
でも、お花は見頃だろうし、平日ならそれほど混んでいないに違いないと予想して、いざ行かん。
入り口で迎えてくれたのは、こんな横断幕。
「はなれてあそぼう」……しかたないですね。涙
横断幕の向こう側のこんもりとした木が、まず気になりました。
白い花がもこもこと咲いているようです。
この木は、ハナキササゲ。
ノウゼンカズラ科で、明治・大正年間に「黄金樹」の名で大量に輸入されましたが、現存する木はきわめて少く、他所では文京区白山の小石川植物園に数本確認されているとのこと。
東村山市栄町の府中街道と江戸街道が交差する「九道の辻」の野火止用水際に生えていた樹齢110年以上の大木の一部が、道路の拡幅工事にともなって2001年3月にここに移植されたそうです。
……以上、立て看板の説明の受け売りです。笑
ハナキササゲは立ち姿も美しいですが、花もきれい! 内側の模様が、なんとも魅惑的じゃないですか。香りも、容姿にぴったりの、こじゃれた香水のように甘やかでしたよ。
公園のなかに進んでいくと、一帯に湿地が広がっています。
なんと、約600種類8千株10万本もの花菖蒲が植えられているそうです。
花々にたっぷりと目を楽しませてもらったところで、日差しがジリジリ痛く感じられてきました。やはり暑い!
そこで、八国山を目指すことに。
西武西武園線の電車は、北山公園の北側に沿って走っています。
公園から見ると、線路の向こう側の八国山緑地は目と鼻の先なのですが渡れない。
いったん公園を出て、西側の北山小学校をぐるりと回り込んで、小さな踏切へ。
のどかな踏切を渡ると、すぐそこが都立公園の八国山緑地です。
東西の尾根道が1.9km。軽いアップダウンはありますが、登山というよりは散策のレベルで歩けます。途中に枝道がいくつもあって、迷うのも楽しい。
そして、ここのいいところは、なんといっても木々に囲まれる心地よさ。
木々が発する穏やかな気が、一瞬にして心身に染み込んできました。
お弁当を食べるのにちょうどよい場所を探しながら歩いていたら、こんな道標が。
良さそうなので行ってみました、「ほっこり広場」。
北山公園ではベンチに「立入禁止」の黄色いテープが巻かれていましたが、ここはテーブルも椅子もそのままでした。よかった♪ 木陰のベンチで、ゆっくりお弁当を広げることができました。
この「ほっこり広場」は、アニメ『となりのトトロ』の七国山病院のモデルになったサナトリウムがあった場所。病棟が建っていた平らな場所が、そのまま広場として整備されたのだそうです。
今日は、八国山緑地のところどころにこんな標識が立っていました。
ときどきすれ違う人たちも、みなさんちゃんとマスクをしていました。えらいです!
おいしい空気をたっぷり吸いたかった私はマスクをはずし、人の気配がすると首に巻いたスカーフを引っ張り上げて顔半分をおおうようにしていました。
ところで「八国山」という名は、何に由来すると思いますか?
その昔、眺望が優れていて上野・下野・常陸・安房・相模・駿河・信濃・甲斐の八つの国の山々が見えたことから、そう呼ばれるようになったのだそうです。
武蔵野台地にこんもりと広がる狭山丘陵の東端に位置する小高い山ならではの名前なのですね(標高89.4m、山というより丘?)。
周囲には、新田義貞軍と鎌倉幕府軍が戦った「久米川古戦場跡」、縄文時代の土器・石器・植物遺体などが発掘された「下宅部遺跡」、東京都唯一の国宝に指定されている「正福寺の地蔵堂」などのいろいろな史跡もあります。
下調べをして、あらためて巡ってみたいと思います。
私の自宅のある所沢市中新井から北山公園まで約7.1km。途中、のぼりくだりの坂道もあり、ほど良い運動になりました。
あら、気づけば、3月末以来はじめての都県境越えになりました。
移動には電車を使わずに自転車で、しかも公園・緑地内ではソーシャルディスタンスを十分に保てたので、この程度なら大丈夫かな。
とはいえ帰り道、所沢市内にもどって一安心。
航空公園の売店で、今シーズン初のソフトクリーム。暑くなった体をひんやり静めてくれました♪