ケアマネさんとのコミュニケーションに疲れました。仕事と介護の両立の大変さをもっと理解してほしい

気になること

この2ヶ月ほど、ものすごいモヤモヤが続いた。

原因は何かと言えば、母が現在お世話になっている小規模多機能型介護施設のケアマネさんとの「やりとり」だ。
どうもスムーズにいかないんである。

例えば、7月後半のある日の8月の予定に関する電話でのやりとりは、ザックリこんな感じだった。

私:平日に自宅泊を入れると私も姉も仕事に支障が出てしまうんです。なので平日1日は昼間だけの滞在を受け入れるとしても、週末は1泊2日だけで精一杯です。

ケアマネさん:そうですか、では8月はどんな予定になりますか。

私:8月はコレコレシカジカの予定でお願いしたいです。間違いのないようメールでもお伝えしますね。

ケアマネさん:わかりました、ではそれを見て検討してみますね。

……そして、私は水曜滞在は日中のみ(泊まりなし)、週末は1泊のみ(土曜の夕方に連れてきてもらって、日曜に私たちに仕事や用事が入っているときは朝にお迎え、入っていないときは夕方にお迎え)という1ヶ月のスケジュールを連ねたメールを送った。

ところがその晩、返信メールを見て私はのけぞった。

そこには、こう書かれていたのだ。

8月の予定を拝見しまして、提案させていただきます。
火曜日の夕方にご自宅へお送りしてご自宅泊、翌日水曜日はご自宅でゆっくり過ごしていただき、夕方お迎えに伺いたいと思います。
そして、9月からは金、土はご自宅での連泊、火曜日はご自宅泊でご検討ください。


えーっ、えーっ、えーーーーーっ❗️❓

だ・か・ら。
平日泊は無理だって言ったよね? 週末も1泊が精一杯だと言ったよね、私? 
説明は日本語でフツーにしたよね? スワヒリ語とかヒンズー語とかで説明しなかったよね?(👈そんなん話せんから)

いやー、困った困った。

さて、ここでちょっと説明。
「小規模多機能型」の介護サービスは、カテゴリーとしては「在宅」の扱いで、施設への「入所」ではない。基本は「家での生活」で、デイサービス+ショートステイ(←施設泊)+在宅サービスを選んで組み合わせて利用するという仕組みだ。
だから、利用するにあたっては、最低限の自宅泊や滞在時間の縛りなんかがあるのでは?と思って質問したのだけれど、答えは「決まりはない」とのことだった。それなら、こちらの事情を伝えて相談すれば日数や泊数の調整をしてもらえるのだろうと理解したのですよ(👈この理解、変じゃないですよね?)。

それなのに、「これ以上は無理だ」と言っても「もっと」を提案されてしまうという成り行き。
はて、どうすりゃいいんだい?

で、翌日ケアマネさんに電話をしたのだが、これがまたモヤモヤをさらに掻き立てられる内容だった。

私:ご提案の平日泊はどうしても無理です。仕事と介護が両立できなくなってしまいます。

ケアマネさん:そうですか……でも、お母様のご意向が一番ですし、ご本人の体力面からも小刻みなスケジュールはご負担になるのでお考えください。

私:いや、母の意向を一番に考えてしまうと、私と姉が仕事が続けられなくなってしまうんです。

ケアマネさん:とはいえ、お母様の場合、一人で立ち上がったり歩いたりはできないわけですから……。

私:???……一人で動けないから危険がない、と? いや、でも車椅子に座ったまま長時間一人で置いておけないですよね。2階で仕事したり洗濯物を干したり、いろいろやらなければならないことがあるんです。

ケアマネさん:洗濯物は2階に干さなければならないのですか? 1階にも干せますよね?

私:いや、洗濯物をどこに干すかは問題じゃなく……そういう細かいことではなく、母がいると定期的におむつを替えたり、ベッドと車椅子の移乗があったり、食事の介助や歯磨きや諸々お世話が必要で、自宅で仕事をしている私は仕事ができなくなるのが一番の問題なんですよ。
それに、認知症の父も日中はデイサービスを利用しているとはいえ、朝晩と週末は家にいるんです。

ケアマネさん:お父様はショートステイを利用されないのですか?

私:母が老健や特養でショートステイをしていた頃は「母に会ってきて」と送り込めたのですが、それでもショートステイ中は混乱しがちで、たとえば「今、税務署にいるんだが仕事が終わったら帰る」とか「接待でゴルフに来てるんだがサービスが良くない」とか頻繁に電話してきて対応が結構大変なんです。だから、母が小規模多機能でお世話になるようになってからは、一人だけでのショートステイは控えていまして。
母に会うためという口実も今はないので、ショートステイは嫌がりますし。
それに父がショートステイを利用したとしても、母が自宅滞在していては私は仕事にならないんですよ!

ケアマネさん:そうですか……では、お父様のデイサービスの見送りなどにヘルパーさんを頼むとどうでしょう?

私:ヘルパーさんに朝、来ていただく? そんなことできるんですか?

ケアマネさん:そうですね、送り出しだと、どうでしょう、30分くらい?いや、15分程度でしょうかね。

私:15分? 朝の15分だけ? 父は1時間半かけて着替え、朝食、歯磨きと髭剃りなんかをするんですよ。横にいてあげないと着替えはできなくて、それだけでも10分じゃ済まないんですから、15分だけ来ていただいても、むしろ連絡業務とか増えて忙しくなるだけですよね? いやいや、それはないです。

……てな具合で、悪いけど、もう無理、あなたと話しても解決策は見つからないどころか、「わかってもらえない」という泣きたくなる気持ちばかりが膨らんでしまった。

それで結局、私は「わかりました、8月だけは火曜夕方から水曜夕方までの1泊2日は試しにやってみますが、週末は1泊にしてください」と、なぜか譲歩してしまった。
やれやれ。

結果、私と姉にとってはめちゃくちゃ忙しかった8月。
猛暑続きで体力も消耗するしで、「え? 夏休み? 全然なかったねー」と振り返りながら疲労感に満ちている今ココ。

そして9月の予定調整でも一悶着あった。
平日は1ヶ月に2回だけ日中滞在、週末はどの週も1泊だけという予定を8月後半にメールを送ったのだが、「水曜2回、自宅に帰れない理由は何か」「週末の連泊ができない理由は何か」という質問とともに、こう書かれていた。

小規模多機能は在宅がメインです。できるだけご自宅においてゆっくり過ごせるようにご家族様のご協力が不可欠です。どうしてもお仕事がお忙しく在宅での介護が難しいようでしたら、施設入居をご検討された方がよろしいかと存じます。

おいおい、それなら、もっと早く、そう言ってくれ。

そしたら、ここまで無理はしなかったのに。

私たちとて、「基本は在宅」とされながらも週末だけで試してもいいと言ってくれたので、ありがたく利用を決めたのだ。
大腿骨の骨折を機に手術入院→リハビリ入院→老人保健施設→特別養護老人ホームとコロナ禍で面会がままならない1年9ヶ月を過ごした母が「このまま寝たきりでボケていくのは嫌」と言うので、チャレンジフルだと知りながらもやってみた「自宅滞在」だったのである。もし「自宅泊が少ないと利用できない」ともっと早くに言ってくれていたら、無理せず途中で断念して施設探しに方向転換したのに。

メンタルやられそうなほど落ち込んでしまった。
「もう、このケアマネさんとやりとりするの無理。悪いけど、お願い」……と私は姉にバトンを渡した。

当初、かゆいところに手が届く柔軟性の高い小規模多機能の介護サービスにすごく感動した。
車椅子でそのまま乗降できる車で自宅まで送迎してくれる上に、比較的元気な利用者さんがデイサービスに通ってくるので日中はお習字、紙芝居、ボールを使ったゲーム、工作的なものづくりなどレクレーションもとても充実している。母は、レクや他の利用者さんとの会話も楽しんでいる様子だった。
4月当初は座位が短時間しか保てなかった母が、座っていられる時間が少しずつ長くなり、移乗や着替えなどの時も自らの意思で少しだけれど体を動かすこともできるようになってきたのは、日中に活発な人たちと一緒に過ごしているうちに自然と筋力や気力が回復したおかげだと思う。

そんな母のプラスの変化を見るにつけ、この間お世話をしてくださったスタッフのみなさんには心から感謝しているし、別の施設に移すことを残念に思わないではいられない。が、かといって私たちが父母の介護に専念する道を選んではならないとも思う。
介護保険は、「介護の社会化」を目指してつくられた社会制度である。
かつて多くの女性たちが縛られずにはいられなかった「ケア」の仕事を、「外」に出して有償化して社会で担うべくして考えられたのだ。
ここで諦めたら、私たち自身の人生だけでなく、介護の社会化にも悪影響を及ぼしてしまうと思う。

あとになれば、「もっとしてあげればよかった」と思ってしまうかもしれないけれど、今は「充分良くやった」と自分たちに言いたい。
アラ還姉妹には、ピチピチの体力も気力もない。ギュッと伸ばしてもキュッと元通りに戻るゴムみたいにはいかない。それでも、まだまだ自分たちが仕事や市民活動を通してやりたいこと・やるべきことを実現していきたいという志を持っている。
そういったことと両親の介護とを天秤にかけるのは本当に心苦しいが、時間にも体力にも限りがある。

というわけで、次のステップに進む準備を進めている。
その準備がまた手間暇かかるんです。調べたり、電話したり、説明したり、相談したり、見学したり、書類を何枚も手書きで記入したり💧 
その苦労を、父母が想像も理解もできない状態なのを、つい、恨めしく感じてしまう今日この頃。でも、そこにも深い学びがあると前向きに考えるよう心がけているところです。