井の頭恩賜公園100周年のトークイベント「ふかぼり井の頭 暮らしを語る」

これまでの主な仕事紹介

企画運営:三鷹市スポーツと文化部生涯学習課
コーディネート・インタビュー:安田知代

2017年5月、井の頭恩賜公園が100周年を迎えました。

この記念の年に、武蔵野市・三鷹市共催事業「ふかぼり井の頭〜歴史を知る・暮らしを語る」が開催されました。

第一弾の「歴史を知る」は9月24日(日)に武蔵野公会堂で行われ、7人の専門家の先生たちから、地形、縄文土器、植生の変遷、江戸時代の井の頭など、今は公園となっている地域の歴史についての多面的で深いお話を聞くことができました。

そして第二弾の「暮らしを語る」は10月29日(日)、三鷹産業プラザ7階で行われました。

この「暮らしを語る」では、三鷹市在住の川井信良さん(株式会社文伸社長)、土屋恂さん(元国鉄・鉄道技術研究所主任研究員・写真家)、神沢利子さん(童話作家)、そして清原慶子市長から、それぞれの井の頭公園との関わりについてお話を聞きました。

「暮らしを語る」の企画・トークを担当しました

この「暮らしを語る」の企画に合同会社いとへんは参画し、三鷹市スポーツと文化部生涯学習課に協力し、企画・実施に力を注ぎました。

ご高齢の土屋恂さん(90歳)と神沢利子さん(93歳)は、当日会場でお話しいただくのはご無理とのことで、土屋恂さんの写真作品をプロジェクターでご覧いただきながら、「懐かしの吉祥寺 昭和29・40年」の作成中に聞いた昔話をお伝えし、神沢利子さんは事前にビデオ撮影したインタビュー動画をご覧いただきました。

イベントに先立って土屋恂さんに内容確認のためにご自宅にうかがったとき、帰り際に「無農薬だよ」と、庭先に実っていたスダチをハサミで一つひとつ丁寧に採って手渡してくださいました。
当日は、その丁寧さに習って、土屋さんに代わってみなさんにお話しさせていただきました。

神沢利子さんのインタビュー動画撮影の際はご自宅におじゃまし、井の頭公園の近くに住まわれたきっかけ、「はらぺこたまごがさらわれた」(学習研究社1981)のモデルとなったカンムリエボシドリがいた自然文化園の今はなき熱帯鳥温室のこと、お友達になったフクロウのことなどお話をうかがいました。

井の頭恩賜公園の自然や動物は、創作の磁場だったのだろうな…と、神沢さんの柔らかく奥深いお声に耳を傾けながら、感慨深く、ありがたい気持ちになりました。

今回の「ふかぼり井の頭 暮らしを語る」では、参加者の方々に昔を語っていただく時間は少ししかとれなかったので、付箋に書いて会場のあちらこちらのボードに貼っていただきました。

イベント後、「最後の写真の『山崎パン』の看板の店がうちだよ」「私も池でエビを採りました」など、お声がけくださった方がいらっしゃいました。

参加者のみなさんからも、もっともっと井の頭のお話を聞きたかったな…。
地域の思い出を語り合うイベントなども、いつか企画してみたいです。

今回は、井の頭恩賜公園100周年の記念イベント企画に携わらせていただき、あらためて地域の昔と今と未来をつなぎ、言葉をつむぐことの大切さを実感しました。
このような機会をいただき、三鷹市スポーツと文化部生涯学習課さんをはじめ、ご協力いただいたみなさまに深く感謝しております。