この間、こんな夢を見た。
姉と一緒に、近所の遊歩道を散歩していたら、マリアみたいな茶系のロングコートのチワワを連れた女性が向こうから歩いてくるのが見えた。
マリアみたいに、華奢な4本の脚をチョコチョコと軽やかに動かして前進してくる様子に思わず笑みがこぼれた私は、すれ違う前に「撫でていいですか?」と尋ね、女性が頷いてくれたので、しゃがんで両手を犬の方に伸ばした。
犬は、人懐こく擦り寄ってきて、しゃがんだ私の膝にコトンと頭を寄せ、後頭部から背筋にかけて私がゆっくり撫でると気持ち良そうに目をつぶり、うっとり穏やかに、まるで眠ってしまったかのようにじっと動かなかった。膝に温もりがじんわりと伝わってくるのを感じながら柔らかな毛を撫でると、懐かしさと愛おしさがうるうると湧きあがってきて、この上ない幸福感に満たされた。
と、そのとき、今度はめちゃくちゃ小さい、両手にすっぽりとのせられそうな小ささのコリーとプードルと柴犬の3匹をリードにつないだ女性が横を通りかかった。
えっ?なにこのサイズ感?……と思った瞬間、横にいた姉がささやき声で「ねぇ、あれ犬?」と聞いてきた。反射的に、「そうよ、犬でしょ」と答えたものの、頭は混乱。同時に、イラッと気持ちが波だったのは、ぬくぬくした幸福感が突如破られてしまったからでもあり、無邪気な様子でなんでも聞いてくる姉を腹立たしく感じたからでもあった。
というところで目が覚めた。
マリアみたいな犬に会えた喜びが勝りつつも、ミニチュア犬への驚きと苛立ちが混じった感情の名残に思わず苦笑。
いや、「犬でしょ」って全然確信ないのに、姉に腹立ててどうする、自分?
マリアが逝ってから10ヶ月が過ぎた。
また、夢で会いにきてね。