発行:市民セクター政策機構
発売:ほんの木
担当: 一橋大学大学院社会学研究科・社会学部教授 加藤圭木先生「日本植民地支配下の朝鮮のリアリティ」
季刊社会運動『特集:社会的経済に向かう韓国市民運動』は、2024年9月に刊行された『韓国協同組合運動100年史』をフィーチャーした特集号です。
この100年史は、協同組合の韓国モデルを確立し、世界の協同組合運動を一層豊かにするのに寄与する基礎資料として編纂され、日本語に翻訳されたものです。ただ、この100年に含まれる1938年から45年にかけては全く資料がなく、編纂委員会はその時期を「暗黒期」と呼んでいます。なぜ、資料が残されていないのか。その背景には、朝鮮人の自発的な活動を一切禁止し、言論や出版の自由をも奪う日本の非人道的な植民地支配がありました。その強圧的な侵略の実態と、現在にも及ぶ影響について、朝鮮近現代史を研究する加藤圭木先生にお聞きして構成を担当しました。
半世紀に及ぶ日本の熾烈な朝鮮侵略の実態も、水俣病を起こしたチッソが戦前すでに朝鮮半島で甚大な公害を引き起こしていたことも、今回の取材で詳しく聞くまで知らずにいたことを恥じました。そして、こうした歴史の背景に潜む男性中心的な家父長制の押し付けがまだ根深く残るがゆえに、日本ではジェンダー平等で民主的な社会が実現できていないとの指摘に目の覚める思いがしました。
加藤ゼミの学生たちが、「歴史をちゃんと伝えよう」と企画した『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』(大月書店2021年7月発行)のシリーズ本がすでに3冊刊行されていることも、今回知りました。
まっとうな歴史研究者と、真摯にモヤモヤと向き合う若者たちに、今後も注目していきたいと思います。
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