季刊『社会運動2023-4』反原発・脱原発運動をつなぐ人たちの取材記事

これまでの主な仕事紹介

発行:市民セクター政策機構
発売:ほんの木
担当:生活クラブ組合員と脱原発運動① 北海道 小林恭江さん
   生活クラブ組合員と脱原発運動② 青森 戸川雅子さん

2023年2月10日、「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました(←経済産業省のwebサイト)。
この基本方針は、エネルギー安定供給、脱炭素、経済成長の3つを同時に実現できる政策だとされています。でも、そんなミラクルな方法って、現実にあるんでしょうか。

その実、中身はどうかといえば、原発への依存度を減らしていくというこれまでの国のエネルギー基本方針とは真逆に原発を推進するという、とんでもない政策です。しかも、政府与党の閣議決定で強行に進める独裁的なプロセスにも大きな問題があります。

季刊『社会運動』は、生活クラブグループの研究センター「市民セクター政策機構」が編集している季刊誌で、毎号さまざまな社会問題を取り上げています。2023年4月号は『原発ゾンビ 再稼働なんてありえない!』という特集で、政府の原発推進への方向転換に対して根本から異議申し立てする内容になっています。

みなさんもご存知のように、福島第一原発の悲惨な大事故から12年経った今も、3万人以上もの人が他地域へ避難している状況が続いています。そして事故後の原発の廃炉は見通しも立っておらず、放射性物質汚染廃棄物をどうするかという問題も解決できていません。
それなのに、原発推進に方向を転換して大丈夫なのでしょうか。
その疑問を『原発ゾンビ』はさまざまな論点から検証し、解説しています。読めば、原発回帰など到底ありえないことが心底納得できるでしょう。
ぜひ、多くの方にご一読いただきたい一冊です。

私は、北海道と青森でそれぞれに反原発・脱原発の運動に長年携わってこられた二人の女性に話を聞かせていただき、その内容を記事にまとめました。
北海道では、1988年に「泊原発の可否を問う道民投票条例」を求めて道内の有権者の4分の1に当たる103万筆もの署名を集めながらも道議会で2票差で否決されるという痛恨の出来事がありました。
一方の青森では、1985年に六ケ所村での核燃料サイクル施設の受け入れを県民投票で決めるべきだとする署名が9万2千票も集まっていたものの、その請求前に知事が施設受け入れを決定してしまいました。
その後、北海道では泊原発が稼働し、幌延(ほろのべ)や寿都(すっつ)では高レベル放射性廃棄物貯蔵施設の誘致が大問題になってきました。青森では六ケ所村をはじめ下北半島に今では核燃料サイクル施設が連なっているものの、度重なる不備により未だ稼働はされていません。

そのような経緯を背景に、北海道にも青森にも長年にわたって原発の危険性を訴え、いろいろな形で抵抗してこられた人たちがいます。他の地域の同じ志を持つ人たちと連携して活動を広めたり、福島第一原発事故後には被災地の子どもたちの保養を受け入れたり、毎週金曜日に駅前でスタンディングを続けるなど、それぞれにアクションを継続されています。
権力者の論点のすり替えやごまかしに惑わされず、原発を自分ごととして考え行動する。それがどういうことなのか、粘り強い運動から多くを学ばせていただけます。

多くの人は、漠然と危険を感じてはいても「誰かがどうにかしてくれるだろう」「うちの地域は安全だ」と思ってしまいがちではないでしょうか。福島第一原発の悲惨な大事故にしても、「政府もメディアも後処理は順調だと言うのだから大丈夫だろう」と思わされてしまっている人が少なくなさそうです。
でも、現在山積みの難問を解決できないまま原発推進の道を選べば、放射性廃棄物は確実にこれまで以上に増えつづけ、悲惨な大事故の可能性も高くなっていき、想像を絶する危険性を未来世代に押し付けることになります。その現実から目を背けず、命と人の尊厳が大切にされる未来をつくっていくにはどうすればいいのか。論点をしっかり共有するためにも「原発ゾンビ」が役立つと思います。詳しい目次は、こちら(ほんの木 販売ページ)でご覧ください。

「原発問題はよくわからない」という人には、基礎が学べるのでおすすめです。
すでに反原発・脱原発に関心の持ってきた人には、知識をアップデートしたり、周囲の人に伝えるツールとしても活用できると思います。

予定販売価格 1,100円
ご購入はこちら(2023年4月12日現在予約販売受付中)
ほんの木 販売ページ
※生活クラブ生協の組合員は、5月15日から配布される「楽しむカタログ/本・CD・etc」で申し込みができるとのことです。