父との会話の角をとるには、方言ごっこが有効みたい

日々の楽しみ

父母のサポートの1ヶ月がいよいよ後半に入り、9月になったというのに30度を超える暑さの日も数日あった札幌での1週間が、相談や手続きや調整や段取りであっという間に過ぎ去っていった。

母の病院退院 → 老人保健施設入所の準備のために相談員さんやケアマネさんと電話で相談する、施設入所の手続きをして調整する、介護タクシーの業者さんを調べて予約する、母が施設に持っていく持ち物を電話で聞き取りすべてに記名して荷詰めする、お礼のお菓子を買いに円山の六花亭まで自転車を走らす、父の独居生活をサポートしてもらうためにケアマネさんとヘルパー業者さんと会議して計画を確認する、父のデイケアの施設を選定してお試しと契約の段取りを進める、父の定期検査のためにクリニックに付きそって薬局に寄る、配食サービスを調べてお試しを頼む、母に「かんたんスマホ」を持たせるためにインターネットで機種代金と月々の料金を調べて姉妹と相談して注文する、父の介護認定の調査員さんの訪問に同席する、施設入所とヘルパーさんの契約書類に必要事項を記入する、父が目が見えにくいから眼科に行きたいというので付きそい途中で父がマスクをしていないのに気づいて最寄りのドラッグストアに走る・・・そんなこんな、やることがとめどなく続く毎日だった。

その間も、父の朝食の合理化・仕組化・習慣化を着々とつづけ、90歳のお誕生日を祝い、毎日散歩に付き合い、「ママが退院するのは何日だ?」「ママは家には帰ってくるのか?」「俺が行くのはなんていうところだ?(←デイケア施設の名)」etc.という同じ質問に毎日何十回と繰り返し繰り返し答えてきた。
自分でも、「私、忍耐力あるじゃん」と感心する。

疲れると、父の90歳の誕生日プレゼントにと2週間前に通販で買ったマッサージ機「ルルド」に身をまかせながらまどろむか、一昨年の冬に父のボケ防止にとプレゼントしたのにそのまま放置されていた「ナンプレ」をやって息抜きをしている。
どうやら私は、自分に必要なものばかり父にプレゼントしているみたいだ。笑

父と二人での生活がスタートした当初はちょとしたことから言い合いになることもあったが、父の認知具合に配慮しつつ話し方やタイミングや話題に気をつけることで父との会話を決裂させないコツが分かってきたかもというレベルまで到達してからは、ほどんど衝突することはなくなった。

加えて、方言でしゃべることで「会話の角をとる」というテクニックがいつの間にか使えるようになり、二人ともなかなかいい具合にご機嫌でいられるようになってきた。

例えば、「お皿洗ってね」と普通に言うと角が立って互いに不機嫌になりそうな場面で、「お皿洗っといてやぁ」と関西風に言ってみたり、「お皿洗うかい?」と北海道風に言ってみたり、「お皿洗うべ」とか「お皿洗うっぺ」とどこぞ風に言ってみたりする。

「そんなこと言ったら怒るでぇ」、「それ、やっといてな」、「ほな、よろしく」、「散歩、行くでぇ」・・・と、どちらの関西風かわからへんけど、なんやおもしろなってきますねん。
「それ、食べるっしょ」、「一緒に行くかい?」、「カルピス飲むかい?」・・・と、北海道風にしてみると、なんかおおらかな気持ちになってくるのさぁ。

といった塩梅で、こちらがそのノリだと、父もなんだか嬉しそうに生き生きして方言で答えてくれて、思わず二人でゲラゲラ笑うこともある。

父も私も北海道生まれだが、父は大学時代を京都で過ごして社会人になってからは転勤族で東京及び近郊にも住んだとはいえ札幌の生活が長く、私は札幌に住んでいたのは合わせても5年ほどで東京及び近郊の生活が長い。父は若干の北海道訛りはあるものの普段は標準語で、私はいつも標準語だ。だから、二人とも方言を使うと、ちょっとしたコスプレ気分で楽しくなるのだと思う。

私が所沢の自宅に帰ってからも、この調子のまま携帯電話でサポートできるだろうか。さて、どうなることやら。
まぁ、なんくるないさぁ〜♪ とつぶやいてみる。