8月15日、AIRDOの飛行機で札幌にやって来た。
新型コロナウイルスの感染者が全国的に増え、反対の声も多いなかで前倒しでスタートした「GO TOキャンペーン」にも急ブレーキがかけられているという微妙な状況を踏まえて、ずいぶん迷った。
だけど、母が8月7日に高熱で入院してしまったのだ(おそらく熱中症)。
もうすぐ90歳になる父は家事能力が限りなくゼロに近く、そのサポートを一手に引き受けてくれていた妹が疲れて倒れてしまう前に行かなくちゃ、と思い切っての出発だった。
幸いなことに(航空会社には喜ばしくないだろうけれど)、AIRDOで「バリュー3」というお得な料金がでていて、3日前に12,000円台で11:50羽田発のチケットが購入できたことにも背中を押された。
当日は、犬のマリアを連れての旅なので余裕をもって10時頃に羽田空港に到着した。
普通ならお盆シーズンで大混雑だろうに、驚くほどのガラガラ状態。何十年も羽田空港を利用しているが、こんなに空いているのは初めてだ。
例年のこの時期なら、一休みしたくても空席が見当たらないほど混んでいるのだが、今年はどこでも好きなように休めてしまう。
ただし、座れない椅子もあちらこちらに。
空港までの道中とても暑かったので、ベンチで一休み。預ける前に、マリアの頭を保冷剤で冷やしてあげた。
普段なら子どもたちが遊べるコーナーには、立入禁止のテープが・・・
あまりにお客さんが少なくて、マリアを預けたカウンターではスタッフ5人が担当してくれちゃって、あちら側のソーシャル・ディスタンシングが気になった。笑
今回は、少し離れた場所にいる飛行機までバスで移動するため、検査後はバス出発ロビーへ。
時間があったのでお土産コーナーを見るともなく見ていたら、東京オリンピック2020のグッズがたくさんあった。この子たち、どうなるんでしょうね。
バスで滑走路近くまで移動するのは、昔は当たり前だったからどこか懐かしい。
でも、バスに乗るときも飛行機に乗るときも「他のお客さまと一定の間隔をとってください」のアナウンスが響くので郷愁にひたってばかりはいられなかった。
私はいつも飛行機に乗るとまっさきに機内誌を手に取るのだが、通常はそれが入っている前の座席の背のポケットに見当たらなかった。
「まさかコロナで休刊?」と悲しくなったのもつかの間、ビニール手袋をしたキャビンアテンダントさんが通路を歩きながら「ご希望の方にお渡ししています」と。
これも感染予防策だったのだな。
飲み物のサービスはないだろうなと思っていたのだが、キャビンアテンダントさんがやはりビニール手袋をしてサーブしてくれた。いつもと違っていたのは、温かいコーヒーがメニューになかったこと。これもきっと感染予防策なのだろう。
私は持参したお弁当のお供に、オニオンスープを所望した。
機内誌の情報によると、AIRDOが空港や機内消毒で使っているのは、小樽の老舗酒造「田中酒造」が製造する消毒用エタノール。北海道産の酒米を原料にしているとのこと。
感染予防と酒米消費の増加の両方につながるAIRDOのCSR活動として紹介されていた。とてもいい取り組みだと思う。
普段は遅れがちだが、全体に空いているからか予定よりも早く到着。いつも通り待ちきれずに運ばれながらキャンキャンと吠えていたマリアを引き取り、札幌市内への移動前にしばし千歳空港の駐車場でお散歩休憩。
千歳空港も、到着した人たちがはけると、この通りのガラガラ状態。
これなら感染予防バッチリだなと思うと同時に、これでは航空会社も空港も関連事業者もみなさんお手上げだろうと胸が痛む。
休憩スペースは、羽田空港と同じようにソーシャル・ディスタンシングへの配慮が徹底していて、アルコールをスプレイしながら拭いて回っているスタッフさんも見かけた。
個人的には「そこまでしなくても」と思うが、安心する人もいるのだろうな。
どこもかしこも空いていて、機内でも隣は空席だった。加えてソーシャル・ディスタンシング、消毒、その他いろいろな配慮の積み重ねを見てきた旅の経路で、私が感染する確率はとても低かっただろうと思う。
そもそも日常的にステイ・ホームを基本に暮らしてきたし、到着してすぐに全身シャワーを浴びたし、おそらく父の家にウイルスを持ち込むことはなかっただろう(と願う)。
コロナ禍で、入院中の母を見舞うことができず、状況もよくわからなくてもどかしかったことなどは、またの機会に。
ひとまず無事に到着できて、父と一緒にご飯を食べ、散歩して、涼しい夜はぐっすり眠れて、夏休み気分でのんびりしていることをご報告します。