あれれ!? ずいぶん違うぞ、各国の閣僚の年齢と男女比。政策内容やスピードにも関係してるんじゃない?

気になること

常日頃から、気になっていたことがある。
日本の内閣が、見た目、ダークグレーな集団だという印象が非常に強いことである。

例えば、組閣時に報道される記念写真を思い浮かべてほしい。いくら燕尾服で着飾っても、肌の強いくすみは隠せない。そんな年頃の男性がほとんどだ。
あるいは、閣僚会議の報道写真などを思い出してほしい。最近は顔半分が白いマスクで覆われるようになったので、その白さゆえに、くすんだ顔色、目の下の隈、御髪のごま塩具合あるいは髪染めの黒々しさがいつも以上に強調されてもいる。

このダークグレー感は、年配の男性が多いことに起因していることは、見れば、誰にでもすぐにわかることである。
でも実際にデータで見てみたらどうなんだろう?

……という疑問を起点に、日本と各国の閣僚の年齢・男女のデータを取り出して比べてみることにした。

比較する国として、ニュージーランド、フランス、ドイツの3国をピックアップした。
なぜこの3国かというと、この数ヶ月、SNSやインターネットを見ていて、新型コロナ対策がスピーディだったり、首相のスピーチが心に響いてきたりした国々だから。
あくまで私個人の主観的な選択である。あしからず。

各閣僚の年齢は「2020-生年」で計算した。つまり、今年で何歳になるか。だから実際には、お誕生日前だから本来はまだ1歳若いケースもある(例えば、今は79歳の閣僚でも80歳としてカウントしているなど)。
閣僚リストは、日本は内閣府Webサイトの閣僚名簿、その他の国々は日本貿易機構JETROのWebサイトの「概況」から、また各閣僚の生年はwikipediaから抽出した。

年齢の平均値・中央値、バラツキ具合から何が見える?

まずは、各国閣僚の年齢を比べてみよう。
最初のチェックポイントは、スタンダードな平均値と中央値。

ふむ。
日本の閣僚、平均63.6歳も中央値63.5歳。ともに4カ国中ダントツに高い。

平均で2番目に高いのはフランスの59.5歳だが、それでも中央値は56歳と下がっている。日本の閣僚はどんだけ高齢なんだ?ってことである。

さて、これをグラフにしてみると…

わっ!! 日本、高っ!!

……思わず、叫んでしまったよ。
グラフで見える化すると、数字だけよりインパクトが強くなる。いやはや、ここまで差があるとは驚きだ。

これでひとまず大まかな各国閣僚の年齢感がざっくり掴めたと思うので、次に年齢層ごとの人数構成と、最年少&最年長の年齢を見てみよう。

最年少は、日本は39歳。
他国の40、38、40歳と比較しても、見劣りしない若さである。その人は、いわずとしれた「人生いろいろ」の帰謬法発言で知られる元首相の息子さん。

しかし、もっとも注目してほしいのは、その上の年齢層40代の人数である。

なんと日本の閣僚には40代が「0」!!! 
それが、日本の突出した特徴なんですよ。
いいですか、40代がゼロなんですよっ!
みなさん!!! ゼロなんですよっ!!!!
びっくりしません???
だって、会社でも役所でも学校でもお店でも、40代っていろんな場面で働き盛り。一般的に組織のなかでもどんどん決定権も持つようになって中間層として頼られる年齢層ですよね。なのに、日本の内閣には、この年齢層の閣僚がいない! 他の国は、7人、5人、7人、という上位ボリュームになっているってのに、日本はゼロ。

補足しておくと、ニュージーランドの最年少40歳は、ジャシンダ・アーダーン氏。首相であり、しかも女性! 
そしてフランスの最年少38歳は2名いて、うち1名が女性のマルレーヌ・シアッパ氏(wikipedia情報:著名なブロガーでフェミニスト)。
対する日本は、30代1人、40代ゼロ、もちろんそこに女性はゼロ!!

……と、驚いていると次に進めない。
気を取りなおして次にいこう。

下の表には、上記の人数をもとに年齢層別の割合(%)を計算してまとめてみた。国によって閣僚数に違いがあるので、割合で見るのは大切だ。

こちらも数字の羅列では掴みにくいので、グラフ化してみよう。

ふむ。
線が交錯していて見づらいかもしれないので、注目点をピックアップしておくと……

日本の閣僚は、30代1名・40代ゼロで、50代でグンと上がって頂点となり、60代、70代、80代へとなだらかに下っている。
対して、ニュージーランドとドイツは40代が頂点で、年齢が高くなるごとに段階的にぐんぐん下っていく。フランスは、頂点が50代で、60代でガクンと減っているのが特徴だ。
そして、日本以外は、80代はゼロ
日本は他3国よりも、60代以降は最上位に線が描かれているのも顕著である。


さらに、各国の閣僚の年齢分布を視覚的にとらえられるよう、年齢を縦軸に、国ごとに各閣僚の年齢を棒グラフに加工してみた。
左端が最年長 → 右端が最年少の並び順。ごちゃごちゃして見づらくなるので横軸の閣僚の名前は省略。中央値を赤字で加えておいた。

ざっとスクロールして見比べるだけで、日本のグレー面積の広さをあらためて強く実感できたのではないだろうか。
いかがかな?

年齢比・男女比から考えたこと

つづいて、各国の閣僚の男女比を見てみよう。

女性の閣僚は、日本3人、ニュージーランド5人、フランス13人、ドイツ6人

なんといっても、女性閣僚の多さではフランスが際立っている。しかも唯一、女性の閣僚数が男性を上回る内閣である。すごい。

では、これを比率で比べるとどうなるか、円グラフにしてみよう。

トホホ……日本のオレンジが小さいのが目立つのぉ。涙
日本は、女性閣僚が一番少ない。少なすぎる。あまりにさびしい。

「だけど、ニュージーランドだって女性比率が低いじゃん」と言いたくなったあなた、思い出してね、首相が40歳の女性だってことを。


さて、今回は以上のように、各国の閣僚の年齢比や男女比を調べてみた。
比べてわかったことは、日本の政治のトップである閣僚のそれが、あまりに歪つ(いびつ)に偏っていることだ。
日本の現内閣は、単にダークグレーな集団なのではなく、歪つに高齢化してしまっている集団なのである

このブログを記している今日は、2020年4月13日。
4月7日に1都1府5県に対して新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令されてからも、日に日に感染患者が増え、医療崩壊も現実になりつつある。
多くの人たちがそれぞれに予防対策に神経を使いながら、高まる不安に負けないように気持ちを強く持とうと努めている。地域やSNSで少しでも助け合えることを考えたり実行したりしている人も少なくない。だけど、危機感と不安がどんどん高まっている。
なのに、次々と繰り出される閣僚たちの言動に「えっ!?」と、のけぞらずにはいられない日々である。
政策としてあげられているのが「和牛券」「お魚券」「旅行券」、そして「一世帯につき2枚の布マスク配布」etc.……あげくのはてに昨日は星野源さんのSNS動画『うちで踊ろう』に、首相が便乗動画を投稿して非難轟々のリツイートが万単位などという珍騒動まで起きている。あまりに焦点が外れている。危機感がなさすぎる。病気も、飢えも、事業継続の困難さも、リアルに想像できていないのだろう。

なぜ、これほどズレまくるのだろうか?
「スピーディに」「かつてない規模で」「前例のない措置を」と、掛け声だけは大きいわりに、出てくる政策案の内容もスピード感もズレズレだ。

年をとると、歩くスピードが遅くなる。
動作が緩慢になる。
老眼で、目が見えづらくなる。
白内障で、目がかすむ。
視野が狭くなってくる。
人の言うことが聞き取りづらくなる。
結果、不機嫌になる。頑固になる。意固地になる。
いくら人生100年時代といっても、個人差はあるとはいっても、老いの波はひたひたと誰にも押し寄せてくる。
そして、いつのまにか社会から大きくズレてしまっている……そんな方々が、閣僚に多くいらっしゃるのではないか。

「オレは大丈夫だ」と大声で主張する高齢者ほど、ブレーキとアクセルを踏み違えるリスクが高そうだが、そもそもブレーキとアクセルの前に、すでにハンドルを無自覚にきり間違えて気づかずにいらっしゃる。そんな人たちが政権を握っていることが、怖ろしい。

「60代も70代もまだまだ若い」
「人生100年時代、年齢は退く理由にならない」
「政治には、長年の経験が必要」
「経験不足の若い人たちは当てにならない」
そんな理由で権力にしがみつく人たちは、次世代を育成する責任を完全に放棄していると言わざるをえない。

平均年齢63.6歳、中央値63.5歳、最年長80歳、40代の議員ゼロ、女性比率18%。
この現状を各国と比較すれば、それがいかに歪つで危機的であるかは一目瞭然だ。

まずは、この歪つさを脱しなければ、超高齢社会の日本は終わりだ。
若者と女性に、決定権を!
デフレよりも、まずはダークグレーからの脱却を!

新型コロナ対策をきっかけに、これまで必要とされながらも進められてこなかったテレワークやオンライン教育への取り組みが急ピッチに実現されつつある。
若者と女性に決定権をシフトしていくことも、これからなら、きっとできる。

まずは、こんな緊迫状況のなかで、『うちで踊ろう』に合わせて踊ることも楽器を演奏することも歌うこともせずに犬をなでたりお茶を飲んだり本を読んだりテレビ見たりの悠々自適生活をしていらっしゃる首相には、ほんとうの「隠居生活」にシフトしていただきたい。パワハラ・モラハラ・セクハラ発言をつづける不機嫌な80代の同僚や、金めあての取り巻きたちといっしょに、お手てつないで一挙に退場してほしい。