おすすめFranceMusique|その2|のだめのパリ留学シーンを思い出させるラジオ番組

日々の楽しみ

フランス公共ラジオ放送局のひとつFranceMusiqueに、『Portraits de famille(家族の肖像)』という番組があります。毎週土曜日に放送されるプログラムで、パーソナリティはピアニストのフィリップ・カサール氏。

毎回、特定の作曲家や演奏家をフォーカスしたり、季節に合わせたテーマで特集したり。
その日その日の切り口に合わせた選曲で、いろんな角度で楽しみ学べる番組ですが、なんといってもカサール氏の饒舌さがすごくて、聴くたびに『のだめカンタービレ』(二ノ宮知子/講談社)の主人公、「のだめ」こと野田恵のパリ留学シーンを思い出します。

『のだめカンタービレ#7』より
「まずは曲を聴いて、曲の特徴から時代や作曲家を推定し、次に楽譜を見て和声などの分析をしてみましょう」というお題が先生から出されて……というシーン。
活発に発言する同級生たちに囲まれて、
頭の中も目も真っ白になるのだめ。(←ああ、マンガ表現の豊かなこと!)

……こ、こ、これが、のだめを息絶え絶えにさせた「アナリーゼ(analyser=分析する)」か!?
と、カサール氏のこれでもかこれでもかという饒舌なコメントを聴きながら、いつも「のだめ状態」に陥りそうになる私です。

「フランス語は全然わからない」という方も一度、「アナリーゼ」の世界を垣間見てみてはいかがでしょうか。きっと、面白く感じられると思います。
例えば、同じラジオのクラシック音楽番組でも、毎週日曜の朝8:05からのNHK第一放送で流れる『音楽の泉』などと比べると、それはもう際立って実感できるはず。ゆったりとした皆川達夫氏の案内は、いかにも日本の休日の朝らしくのんびりペース。一方のカサール氏の語りはといえば、言葉渦巻く別世界。内容が聞き取れなくても、語りの量とスピードと勢いを比べれば、のだめの前後不覚状態が容易に想像できるのではないかと思います。

ということで、今回はショパンの小曲『マズルカ』ばかり17曲を集めた2018年10月27日の放送をご紹介。
ウラディミール・ホロヴィッツ、アルフレッド・コルトー、ジャン-マルク・ルイサダなど11人のピアニストの音色を聴き比べることもできます。ぜいたくな1時間58分です。

ショパンの故国ポーランドの民族舞踊に想を得て作曲された数々の『マズルカ』の繊細な演奏のみならず、カサール氏の語りの奔流にも心揺すぶられ、のだめ気分を追体験していただきたいです。

Portraits de famille : Petit inventaire des Mazurkas de Chopin