キョンキョンと一緒に国会ライブ中継をみることにワクワクする自分の反応が意外と面白かったことについて

気になること

昨日2020年5月15日(金)の午後、私はインターネットのライブ配信で国会中継をみた。
検察庁法改正案についての審議が行われた衆議院の内閣委員会である。

検察庁法改正案が国会に提出された経緯も変だったし、コロナ禍でそれどころの状況じゃないタイミングで審議に持ち込む与党のやり口もひどくて、なんだか気持ちをワサワサと不安にさせられる案件だった。そのうえ、週末からtwitterデモ「#検察庁法改正案に抗議します」がすごい勢いで広がっていて、それがどのように影響するかにも注目していた。

とはいえ、国会中継をみるって疲れる。かみあわない質疑応答を聞きつづけるのは、とてもしんどい。だから、「みておかなくちゃ」と思いはしても、心のなかでもう一人の私に「散歩に行っちゃえ」とそそのかされてもいた。

で、決断がつかずにグズグズしながら「誰か中継についてツイートしてるかな」……とtwitterを開いてみたら、こんなのが目に飛び込んできた。

「株式会社明後日」は、ご存知のように、キョンキョンこと小泉今日子さんの会社。
あら、キョンキョンもみてるんだ♪ 

しかも、中継サイトのリンクも投稿してる。

じゃ、散歩はやめて、中継みよ♪……うふふ、なんだかワクワクしてきたわ。
というわけで、途中からだったが後藤祐一議員の質問時間から、野党が武田良太・国家公務員制度担当相に不信任案を提出して閉会となるまでLIVEをYouTubeでみてしまった。

数秒前まで後ろ向きにだったのに、「キョンキョンと一緒にみる」と思った途端にモチベーションがアップしたのは、我ながら不思議だった。
キョンキョンは同世代でほどほどの親近感はあるとはいえ、顔と名前が一致する芸能人が両手の指の数くらいしかいないほど芸能情報に疎い私である。
それなのに、なぜ?

思うに、それは5月10日にキョンキョンがtwitterデモに参加していたことを誰かのリツイートで知り、にわかにフォローしたことに端を発する。
そして翌々日5月12日の、このキョンキョンのツイートに私はいたく共感したのだった。

このツイートの背景には、キョンキョン以外にもtwitterデモ「#検察庁法改正案に抗議します」に多くの芸能人が参加したことに対して、「芸能人は政治批判をすべきではない」といったニュアンスでの強いバッシングが起き、なかには「理解が十分でなかった」などを理由に投稿を削除するケースも出たという社会の流れがあった。

そんなバッシングに対して、
私、更に勉強してみました。読んで、見て、考えた。その上で今日も呟かずにはいられない。
とキョンキョンはツイートし、「おかしいことは、おかしいと言う」というブレない姿勢を表明したのだ。

「株式会社明後日」のフォロワーは、今日時点で4.7万人。
ファンも、ファンじゃない人も、誰もが彼女のツイートをみられる。
共感のコメントも多くつくけど、変な反応をする人も少なくないだろう。
そんな状況にあって、シンプルに意志を貫く発言をするって簡単なことじゃないと思う。

有名人じゃない私でも、インターネットの署名サイト「change.org」の政治的な署名や現政権に批判的な記事をfacebookでシェアしたりコメントしたりするときはずいぶんためらう。
友だちのなかにも政治的な意見の合わない人はいるだろうから、「この人、嫌だな」って思われるかもしれない。「専門家でも評論家でもないのに」とか「どこまで知ってるんだか」などと嘲笑されるかもしれない。そんな否定的な気持ちがどことなく湧いてくる。
だけど、「これって、おかしい」と感じる政治のことも、美味しい料理や面白い本と同じように親しい人たちと共有したいという思いが勝るから、勇気を出してシェアしたりコメントしたりする。

だから、キョンキョンのツイート「私、更に勉強してみました。読んで、見て、考えた。その上で今日も呟かずにはいられない。」は、胸にズンと響いた。

直感で異議申し立てしたっていい。
それを批判されても、勉強すればいい、考えつづければいい。
そもそも、すべてを調べ尽くして論文でも書けるくらいに熟考してからじゃないと意見が言えないなんてルールはない。
キョンキョンが身をもって、そう伝えてくれたように感じた。

だから、「キョンキョンも国会中継をみてるなら、一緒にみて勉強して、よりよく知ろう!」と私はモチベーションを高めることができたのだ。

キョンキョンのツイートについては、5月16日(土)の朝日新聞の「検察OB、公然と反対 「三権分立否定つながりかねない」 ロッキード・捜査経験者ら」という記事で、「俳優の小泉今日子さんもその一人。午後3時前に『国会中継見てます』と投稿し、委員会審議をライブ中継していた動画サイトを紹介した。」と掲載されている。

きっと、私のようにキョンキョンに導かれて国会中継をみた人は少なくなかっただろうな。


実際にみての感想は、後藤祐一議員(国民民主党)と藤野保史議員(共産党)の質問の内容はわかったが、森雅子法務大臣の答弁はよくわからなかった。
森法務大臣の答弁が理解できなかったのは、たぶん、私の頭が悪いからではなく、はぐらかしばかりだったからだろうと思う。

質問には、「はい・いいえ」で答えるものと、理由を答えるものの2つにざっくりわけられるが、森法務大臣は前者のタイプの質問には“はい”も“いいえ”も言わずに勝手な説明をし、後者のタイプの質問には内容をズラした説明をしたのだと思う。つまり、いずれにしても問いに対して誠実には答えていなかったのだ。
以前、ブログ『呪いの言葉の解きから』が教えてくれるのは、行動する勇気のつくり方で上西充子さんが解き明かした「ご飯論法」について紹介したが、すべてはその応用なのだと思う。

今回の検察庁法改正案については、元検事総長を含む検察OBの方々がやはり昨日5月15日午後に反対を表明する意見書を森法務大臣に宛てて提出した。このような抗議は、歴史的にも異例なことだという。

そんなこんなで、来週以降も、国会から目が離せない。

まずは関心をもつ。読んで、見て、考える。

キョンキョンもそうしてるだろうな〜と想像すれば、ワクワクしながら国会ウォッチングが続けられそうだ。ありがとう、キョンキョン!