地球温暖化を止めるために、私はいったい何ができるのだろうかと悶々とする暑い夏

気になること

暑い。
今日も暑かった。
夜になっても涼しくならない。というか、外は台風15号の影響で激しい雨が降り始めているから窓が開けられず、昼間の熱気がこもっている部屋にはクーラーを付けなくてはいられない。

今日2019年9月8日、私が住んでいる埼玉県所沢市の最高気温は31〜32℃くらいだった。夜から朝にかけて台風が通過する見込みで、台風一過の明日は36℃の予報が出ている。
いつになったら猛暑・酷暑が終わるのだろうか??
頭がクラクラする。

今年の夏、私は7月後半から8月いっぱい札幌の父母の家で過ごしていたので、関東地方の湿度の高い残暑が特に体にこたえる。

7月末から8月前半にかけての2週間ほどは、札幌でも最高気温が30℃を超える日々が続いた。
湿度がさほど高くないからマシとはいえ、父母の家にはエアコンがなく、マンションの最上階の室内は昼過ぎから夕方にかけて35℃を超え、高齢の父母は微熱を出したり口内炎ができたりと不調を訴えるにおよんだ。一緒にバテてしまうリスクを避けるために、私はクーラーの効いた図書館で午後を過ごすようにしていた。

「地球温暖化」が顕著になっていることを身をもって痛々しく感じる暑い夏は、まだ終わっていない。「温暖化」というより「灼熱化」とか「熱燃化」とでも呼びたくなる。

IPCC(Intergovernmental Panel On Climate Change)の第5次評価報告書(2013年9月公表)によると、1880~2012年で世界平均地上気温は0.85℃上昇した。

しかし私が子どもだった半世紀ほど前は東京で30℃を超えることがごく稀だったことを思うと、私の肌感覚では0.85℃どころか5℃〜6℃くらい軽く上昇しているように感じる。

同報告書では、こんな予測もされている。
▼もし私たちが有効な温暖化対策をとらなかったら、21世紀末(2081~2100年)の世界平均地上気温は20世紀末頃(1986年~2005年)と比べて2.8~4.8℃上昇する。
▼かなり厳しい温暖化対策をとったとしても0.3~1.7℃は上昇する。

肌感覚では、どれだけ暑く感じるようになるのだろうか。
そして近年の豪雨や台風の巨大化を上回る極端現象は、どうなるのだろうか。
海面上昇、感染症、農作物や海産物などへの影響は、どうなるのだろうか。
結果、私たちはどんな被害に直面することになるのだろうか。
想像を絶する。

地球温暖化の進んだ未来を想像する手がかりになる動画『2100年未来の天気予報』が、Webサイト『COOL CHOICE』(環境省)で2019年7月に公開されている。
夏バージョンと冬バージョン、それぞれ10分ほど。
気温上昇が4.8℃程度におよんだケースと、1.5℃程度に抑えられたケースの2100年の模擬天気予報である。

この未来の天気予報を見ると、もし1.5℃程度に抑えられたとしても、現状の夏の暑さは変わらなそうだ。もし抑えられなかったら、夏の最高気温は各地で軽く40℃を超え、台風の被害は甚大で、「米どころの北海道」でも不作が予想され、冬の最高気温は25℃を超えた夏日が記録され、大豆は地球上で稀少となって豆腐や納豆は高級品となっているといった生活へのさまざまな影響も想定されて描かれている。
2100年といえば、私は確実にこの世にいないが、2015年に生まれた孫が85歳になる頃だ。果てしなく遠い未来ではない。

地球温暖化による変化が想像しやすくなるので、みなさんにもぜひ見ていただきたい。
ただし近年の猛暑と自然災害の拡大を考えると、この『2100年未来の天気予報』の想定は甘いかもしれない。もっと悲惨な状況になるのではないかと思う。2100年に至るまでにも、多くの惨事が起きているかもしれない。

なのに私はクーラーを止められない

IPCCの第5次評価報告書は、「20世紀半ば以降の温暖化の主な原因は、人間活動の可能性が極めて高い(95%)」と明言したことでも世界の注目を集めた。
2007年の第4次評価報告書では「90%以上」、2001年の第3次評価報告書では「66%」という表現だった推測が、いよいよ「95%」とほぼ全面的に確信されたのである。疑問をはさむ余地はほぼなくなった。

そして同報告書にもとづき、2015年12月に開催された国際連合枠組条約(UNFCCC)締約国会議『COP21』で確認されたのが、国際的な温室効果ガスの削減目標だ。
目標は、産業革命以降の世界の表面平均気温の上昇を2℃よりも低く抑えること。
できれば1.5℃以下にとどめる努力をすること。
それが『パリ協定』として明文化された。

この目標に沿って、各国は自主的にCO2を主とする温室効果ガスの削減目標を定めた。
絶対に、これを実現しなければならない。火事場の馬鹿力を振り絞って、なんとかしなければならない。

暑さにめげる私の頭の中をぐるぐると巡っているのは、昨年2018年から世界的に注目されているスウェーデンの高校生の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの言葉だ。その言葉は、私の心をぐさぐさと刺す。

「大人たちはいつも、若者に希望を与えなければいけないと言います。でも私は皆さんの希望など必要ありません。希望をもってほしくもありません。パニックになってほしいのです。私が毎日感じるような恐怖を感じてほしいのです。」(2019年1月:世界経済フォーラム年次総会 ダボス会議)

暑さに打ちひしがれながら、燃える地球が見える気がする。
この夏、恐怖を感じつづけていた。
クソっ! なんとかしたい。

だけど今、クーラーを止めたら、私は考えることができなくなるどころか、たぶん具合が悪くなってしまう。だから私は今晩、温室効果ガスの排出を止める代わりに、ひとまず罪悪感に休みを与えることにする。ごめんなさい。