新しい〈豊かさ〉を築く、新しい経済学とは?

気になること

「あなたたちはパイオニアですね。実践していることは『プレニテュード』に書かれていることそのものですね」

そう言葉をかけてくれたのは、三鷹市環境基金活用委員会会長の一方井 誠治先生(武蔵野大学環境システム学科教授・京都大学特任教授)でした。
2012年から2019年4月まで営んでいた『SMALL WOOD TOKYO』の活動が、三鷹市の「環境活動表彰」を受けた2016年2月の表彰式でのことでした。

読んでみると、たしかに環境に配慮していて、量よりも質を基準にしていて、小規模起業家で、サスティナビリティを追求しているところなど、著者のジュリエット・B・ショア氏が「パイオニアグループの人たち」と表現している人に、私たちも当てはまるように思いました。

そして、こうした理論に紐付けることで、日々直面するビジネスの厳しい現実に翻弄されつつも、折々に自分たちと現在の社会を俯瞰して客観視できるようにも感じました。

読んでみると、私たちの立脚点を確かめ、これからの「新しい〈豊かさ〉」を探っていきたいという思いが、ひたひたと湧き出しました。

働きすぎと浪費が、悪循環を作り出している現代。
環境汚染や過労や貧困を生み出す経済の仕組みを変えるために、一人ひとりができることは何なのか。

1972年のローマクラブが発表した「成長の限界」から、世界の環境や経済に対する動きを辿り、希望に向かって活動する様々な事例も紹介されています。

『プレニテュード』(ジュリエット・B・ショア著/森岡孝二監訳/岩波書店2011年11月発行)